サムライTVで全日本プロレス5/25後楽園大会を観た。秋山体制になってから暫く観客動員数は厳しい状況が続いていたように思う。しかし、この日の座席はかなり埋まっていた。80年代から90年代を知っている者にとっては少々寂しい数字ではあるが、現時点では満員マークが付く立派な数字だろう。分派のノアが後楽園のみならず他の大会でもさほど数字を伸ばせていないのは選手の質にあるような気がしてならない。確かに現・全日本は他団体からの選手が大手を振って歩いている。が、それ故に面白いマッチメーク、期待以上の試合展開が観られるから面白くなってきているのではあるまいか。(逆にノアは秋山たちが離脱した直後に多少、他団体選手が上がることもあったにせよ、鈴木軍効果でかなり上昇機運に載ったのは確かだが、基本新日本の掌の上で踊らされている現状では大きなうねりは期待薄だ。)それは大日本プロレスにも言える。全日本やノアよりも選手層は厚いにも拘わらず元メジャー団体と比較されて辛い思いをしてきたと思うが、今やプロレスリング・ノアは完全に超越した大日本。そのトップどころと全日本の現チャンピオンたちが、ノアと新日本の如き関係性に左右されない状況下で闘ったからこそ素晴らしい試合が観られた。ノアの試合はハッキリ言って新日本の息がかかったストーリーが組み込まれているはずだ。そういったしがらみの無いこれらの戦いは見ている者の心を熱くする。勿論、先日の杉浦VS潮崎戦も試合そのものはタフでハードな試合だった。しかし、決着に何らかの意図を感じてしまうのだ。それは自分だけが感じるものかも知れないが、今回の三冠戦にはそういったモノが全く感じられない素晴らしい試合だった。三冠初挑戦の関本選手はベルトに手が届かなかったが、それだけ宮原選手の進化が激しかったと言う事か。二枚大看板が不在の上にトップ選手が数人脱けて厳しい環境の中で戦い続けている気持ちが勝ったのだろうか...7月には諏訪間選手が復帰するのでこれからが益々楽しみになってきた。