東本昌平先生の描き下ろし一本を含むフルカラーの短編集RIDEX
頁を繰るとイグニッションスイッチをオンに、あるいはキックスターターを思いきり蹴ってエンジンをかけると直ぐさま息を吹き返し激しい鼓動を打ち始めると同時に独特な重低音が頭に鳴り響いてくる。
スロットルを回転させるとエキゾーストパイプから吐き出される轟音にエンジンオイルとガソリンが燃えた匂いが立ちこめクラッチを繋ぐと路面を焦がしながら走り出す。
風を切って進むマシンがいつしか風になり人もマシンも風景もやがて一つになる...そして甘い思い出や酸っぱい思い出がよみがえってくる...そんな空気感に包まれてしまう。